XRPの上にも3年

Rippleがもたらす「価値のインターネット」の実現を信じて楽しみにしています。

Stefan Thomasが語る標準化の法則とブロックチェーン

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Blockchain Advocates Must Learn the Law of Standards より

 

前回に続き、Ripple CTO である Stefan Thomasが書いた記事をご紹介。全文を訳すというよりは、個人的に面白いなと思ったことを書いているので、詳細はぜひ原文をみてください。記事に貼られているリンク先もかなり面白いものが多いですし、英語表現も比較的わかりやすく書かれています。本当に賢い人なんだなぁと読みながらため息が出ました(笑)なお、見出しも本文の流れも、原文とは一致してないのでご注意を。

世界でたったひとつの暗号通貨?

様々なビジネスが生まれている現在、インターネットで情報を送るのと同じように、価値を送るという、価値のインターネットの需要はますます高まっています。そしてブロックチェーン技術を使った暗号通貨(仮想通貨)として、ビットコインはそれを実現するものとして期待されていました。でも現在はどうでしょう?ビットコインに関して言えば、送金の手数料が高くなり、開発コミュニティの中でも様々に意見が割れています。支払い方法としてのビットコインはその役割を担えていません。

しかし、そもそもビットコインのような1つの通貨が全世界で使われるというのが現実的ではないとStefanは言っています。実際に今、ビットコイン以外の暗号通貨(仮想通貨)は1000種類を超えて存在すると言われているように、新しい技術や新しい暗号通貨が生まれるのは必然だし、だからといってビットコインがなくなるわけでもない。

何かひとつの通貨に統一することを考えるよりは、暗号通貨や法定通貨を問わず、それぞれの人が好きなものを使えるように、全てをつなぐようなスタンダード(標準化)が求められているのではないでしょうか。

標準化の法則*1

John F. Sowaという情報工学者が提唱した標準化の法則(the Law of Standards)というのが個人的にとても面白いと感じました。

Whenever a major organization develops a new system as an official standard for X, the primary result is the widespread adoption of some simpler system as a de facto standard for X.

The Law of Standards より引用

ある大きな組織が新しいシステムを作り、それをXというものに対しての公式な規格としようと試みると、大抵はそれよりもシンプルになったものが広まり、デファクトスタンダードとなる。 (意訳)

Sowaは米国国防総省がAdaというものを標準のプログラミング言語にしようとしたら、C言語が標準となり、国際標準化機構(ISO)によって策定されたOSI参照モデルはインターネットの標準とならず、TCP/IPが広まり標準となったという事例をあげています。

大きな組織が決めたものではなく、デファクトスタンダードとなっているものの共通点は、広く応用を効かせることが可能になっているシンプルさにあります。シンプルが故に、応用され、広く使われ、標準となっていきます。

Hyperledgerはどうか?

ブロックチェーンを使った支払いに取り組むプロジェクトとしてHyperledgerというものがあります。しかしこれは様々な業界からの企業らが国を超えて参加しています。そこで決められるであろう規格(標準化)は、参加する組織の要望を全て満たそうとするととても困難になるでしょう。先ほどの標準化の法則のように、求められているのはもっとシンプルなものです。

そのシンプルなものとは?

そこでEvan SchwartzとStefan Thomasはインターレジャープロトコル(ILP)を作りました。ブロックチェーンであろうとなかろうと、異なる台帳を繋ぐためのシンプルなプロトコルです。すでにそれの応用としてビル&メリンダ・ゲイツ財団のMojaloop projectも生まれています。

Stefanは ILPのシンプルさこそが支払いに使われるプロトコルとして広まるであろう力の元だと考えています。支払いに関する様々な異なるネットワークが存在していますが、それらのネットワークを繋げるネットワークがILPを元に広まれば、価値のインターネットが達成できると彼は言っています。

最後に

今回、Stefanが紹介した標準化の法則(the Law of Standards)は、世の中にどんなものが広まっていくかを考える上でとても良い概念だなと感じました。特定の組織が力技で標準化をさせるよりも、シンプルで使いやすいものが核として残り、様々な人の手によって応用されていくようなものこそ、標準になるんだろうなと。

 

*1:the Law of Standardsの正式な日本語表現がわからなかったので、ここでは標準化の法則と書いています。