XRPの上にも3年

Rippleがもたらす「価値のインターネット」の実現を信じて楽しみにしています。

支払い(payment)と決済(settlement)の違い

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会社経営をされていたり、個人で事業を行なっている方々は別ですが、僕のように会社に勤めて生活していると、決済という言葉にそれほど馴染みがない方も多いと思います。コンビニで現金を渡しておにぎりを買う。Suicaを使う。クレジットカードを使って何か商品を買い、その請求金額がしばらくしたら口座から自動で引き落とされる。これらのやりとりを分解すると支払いと決済というプロセスを見ることができ、それが理解できると、なぜ国際送金において数秒で決済が完了することが革命的にすごいか、というのも見えてきます。

はじめに取引

僕たちはほぼ毎日お金を使って何かしらの取引をしています。いま、手にしているスマホはいくらかのお金と引き換えに手にしたものだろうし、その通信と引き換えにいくらかが口座から引き落とされていたり。コンビニでSuicaを使って150円とおにぎりを取引したり、あらゆるところで商品やサービスと引き換えにお金が移動しています。

決済(settlement)

まずは決済(settlement)とは何でしょう?

「決済(settlement)」とは、ーーー「代金を支払って、取引関係を終了させること」

決済システムのすべて第2版 より引用

買い物の例でいうと、僕がコンビニでおにぎりを受け取り、僕のお金がコンビニ側に渡れば取引完了です。現金で購入すれば、お金の移動が即座に行われ、決済完了となります。

ではクレジットカードで支払った場合はどうでしょう?僕はおにぎりを受け取りますが、店舗側は現金を受け取っていません。その時点では僕の預金口座は減っておらず、コンビニ側の口座にもお金は移動していません。

支払い(payment)

そこで支払い(payment)という言葉が登場します。

「ペイメント(payment)とは、支払指示(payment order)を送付し(=仕向ける)、受け取るプロセスである。資金決済の起動であり、受取人への資金振替を依頼する支払指示の伝達である。」

決済システムのすべて第2版 より引用

要するに「僕の口座にあるお金をあなたに送ってください」と指示することを支払い(payment)と呼んでいます。クレジットカードでおにぎりを買う際は、直接自分の銀行に支払い指示を送っているわけではなく、一旦はクレジットカード会社に指示が送られるのですが、最終的には自分の口座のお金を移動させるという意味を持つ指示ですね。

銀行の預金に関して言えば、以前は窓口で自分の預金の振替指示をしていたけれど、インターネットが普及して、ネットからも24時間365日、振替指示ができるようになりました。しかしいつでも「指示」は出せるけれど、実際にお金が移動するのは時間がかかります。平日の限られた時間にしか移動できません。

決済リスク

個人としての僕からしてみれば、現金で買おうがクレジットカードで買おうが、おにぎりがその場で手に入るのであれば、さほど問題ではありません。しかし、企業や銀行はそうではありません。支払いはしているけれど、決済はしていない状態。つまり、お金の移動を指示しているが実際に移動していない状態というのはすなわち、誰かが僕のお金を立て替えている状態に似ています。そしてそれはとてもリスクがあることです。

お金を立て替えたことがある人なら誰しも経験したことがあると思いますが、「あとで返すから」と言われたときのソワソワ感。「お金を貸したことを忘れはしないか?」「踏み倒されないか?」などと心配になります。企業の場合なら、倒産しないか、支払日が遅れないかなどと心配になるのは同じです。実際に支払いはされているが、決済がされてない状態のリスクを決済リスクとも言います。また、支払いをしてから実際にお金が移動するまでは、そのお金で何か別のものを買ったりすることはできません。宙に浮いている状態です。

数秒で決済

決済が数秒で済むということは、支払い(payment)の指示が数秒で行われるということではなく、その後の処理と資金移動が数秒で完結するということです。実際のお金の移動が数秒で行われるのであれば、先ほどの決済リスクもなくなります。1日の間に倒産することはあっても、数秒後に倒産して支払えないということなんてありませんからね。Rippleが変化を起こそうとしている、国際送金にいたっては、指示から決済されるまで数日間かかっていたのが、数秒で行えるようになるわけです。数日間宙に浮いていて使えなかったお金や、支払われなくなるという決済リスクもなくなると考えれば、そのメリットは計り知れません。

まとめ

支払い(payment)というのは指示を出すことであり、決済(settlement)というのは実際のお金の移動です。あらゆる企業や銀行はユーザーのためにその支払いと決済のプロセスをとても便利にしてくれました。だから僕たちはすぐに決済しなくても、コンビニでおにぎりが手に入ります。しかしそれは企業や銀行が立て替えて、リスクを背負ってくれているからです。Rippleはそうした企業や銀行のリスクを低減し、詰まっているお金の移動を即座にできるようにしています。僕のような個人にはその世界は見えにくいかもしれませんが、とても大きなことをRippleは行おうとしているのです。

参考

日銀のサイトにある、以下のリンクは決済についてかなりわかりやすく書かれています。ここでは省略したネッティングなど重要な考えも書かれているので、ぜひ参考にしてください。

決済の原理 : 日本銀行 Bank of Japan

 

アフター・ビットコインの著者、中島真志さんの著書です。僕が読んだのは第2版ですが、新しく第3版が出ています。中央銀行の役割や世界の決済システムについても書かれています。入り口だけでもかなり勉強になります。

追記(2018/10/20)

てにったーさんが支払いと決済についてとてもわかりやすく説明してくださっているツイートがあるので、そちらもご紹介させていただきます。