Much Ado, Much to Do Part1, 和訳はたくさんの方々に読んでいただきました。自分が想像していた以上にRetweetされたり、コメントをいただき、本当に嬉しかったです。さて、昨夜遅くにcoincheckの不正送金のニュースが話題となりました。未だに対応策を検討中ということで、居ても立っても居られない方も多いと思います。そんな中ですが、この記事が誰かの役に立てば幸いです。では、以下がPart2の翻訳です。
私たちの戦略:パートナーそして再構築
早い段階で、私たちはビットコイン主義者が言うのとは対照的に、金融機関は敵ではないということに気づきました。お金はとても協力なツールであり、大抵は建設的な用途に使われます。しかし、犯罪のような有害な使われ方もできてしまいます。建設的な発展を促し、犯罪で利用されることを防ぐために、政府は送金を規制するのです。
金融機関は法に則って送金ビジネスを行うためのシステムとチームを作り上げています。彼らは送金ビジネスを行うエキスパートなのです。ですので私たちは金融機関が存在しない未来など無いと考えています。
初期の段階から、私たちは送金のインフラを再構築するために、金融機関とパートナーを組むようなアクションをとってきました。彼らは私たちの顧客なのです。
ここで言う"金融機関"は単に銀行だけを指すのではありません。重要なことですが、私たちの顧客は、銀行と他の多くの種類のペイメントプロバイダーなのです。(送金業者、送金ネットワーク、モバイルウォレットなど)
金融機関とパートナーになり国際的な送金インフラを迎合的に再構築するには障壁があり、時間もかかります。私たちが取り組んでいるような、大きく複雑でインパクトの大きい問題を正しいやり方で解決するには時間がかかりますが、それは価値のある投資なのです!
Rippleは金融機関(FIs)とパートナーを組むことで、国際送金における3つの根本的な問題に取り組んでいます。
・速さと確実性
・流動性の管理
・接続の標準化
私たちはこれら3つの問題を同時に取り組んでいます。
戦略1:xCurrentで速さと確実性を解決
現在、国際送金は遅く、不透明で信頼性にかけます。それは金融機関がお互いに支払いの情報を簡単にやりとりできないという現状に大きな原因があります。
xCurrent(金融機関が彼らの中核となる送金処理インフラの一部としてインストールするソフトウェア)は金融機関同士がリアルタイムで送金に関する情報をやりとりし、一瞬で決済することを可能にします。xCurrentはそのソリューションとしてXRPを使いません。XRPがエコシステムの中でどういう風に必要となるかは後述します。
2015年の終わりころに、私たちはxCurrentをリリースし、企業向けバージョンを2016年の初めごろにローンチしました。
そしてRippleの製品群で最も成熟しているものとして、多くの銀行やペイメントプロバイダーに採用されています。私たちはxCurrentを商業利用しようと、本気で考えている顧客としかやりとりをしません。コンセプトの実証やラボで行われるような科学的な実験などに、私たちの時間を浪費するわけにはいかないからです。
顧客はxCurrentを商業利用する前にほぼ必ず実際の資金を使ってソフトウェアをテストするパイロットを行います。(当然!)商業利用とは金融機関が顧客の送金をxCurrentを利用して行うという意味です。
xCurrentは金融機関の中核となる送金プロセスのインフラに直接統合されるため、その実装に関して「飛行中にジェットエンジンを変える」くらいセンシティブなプロセスだと表現されることもありました。容易に想像できることだとは思いますが、金融機関と契約をし、彼らとパイロットを行い、実装を完了させ、旧システムからxCurrentに移行するということは、何ヶ月もかかるプロセスなのです。
昨年の6月にはSBIレミットとサイアム商業銀行がRippleのソリューションを利用した送金を開始しました。それらを利用するお客様は以前よりも頻繁に、もっと大きな額の送金を行なっています。そのサービスが気に入られている強い証拠ですね!
スカンジナビアの大きな銀行であるSEBはすでに、xCurrentを利用して10億ドル近くの国際送金を処理しています。xCurrentの速さと信頼性に関して、とてもよいフィードバックをもらっており、SEBはRippleのソリューションを使った送金を、より多くの顧客に勧めています。
金融機関がそのインフラを1970年(!!)から変えてこなかったことを考えると、xCurrentの導入の早さと、これらのアーリーアダプターからの報告には非常に満足しています。
最後に
今回は、金融機関と協力するというRippleの考え方とxCurrentというソフトウェア製品の話でした。個人的には金融機関が存在しない未来など考えられないというRippleの考えに強く共感します。破壊的変化よりも協力的変化という道を選んだRipple。これからも応援していきたいと思います。