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金融読本から学ぶ、銀行の業務と役割

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前回の翻訳記事の冒頭で少しだけ触れましたが、金融読本という本を読んでいます。Rippleに大きく関わる分野は決済のパートですが、僕はまず金融という言葉の意味と銀行の業務や役割について知らないことが多かったので、ここにまとめたいと思います。ちょっと退屈な部分もあるかもしれませんが、ご興味あればぜひお読み下さい。

金融とは

まず、金融とは何か。

金融は、読んで字のごとく「お金を融通すること」であり、資金の貸借である。資金は、お金の余っている人から、お金の足りない人に貸借される。

この世に、お金が余っている人がいる一方で足りない人がいることは想像に難くありません。しかし、単純にお金持ちvs貧乏人という構図とは少し異なります。

では

お金が余っている人(資金の供給者)とは誰でしょう?

お金が足りない人(資金の需要者)とは誰でしょう?

金融市場の参加者は大きく分けて、企業、政府、家計に分けられます。それぞれ資金の供給者になり、需要者にもなり得ますが、通常は企業と政府が資金の需要者、つまりお金を借りる側です。ではそのお金はどこから来るのかというと、大部分は家計、すなわち僕たち一般の人から来ています。そうです。僕たちはお金が余っている人たちなのです!(そんなことはこれっぽっちも感じたことありませんが(笑))

なぜ金融

そもそもなぜ、金融(お金の貸し借り)が必要なのでしょう。僕は子供の頃から「お金を借りたらダメ」とか「貸したお金は捨てたと思いなさい」と言われて育って来ました。必要なものはバイトをして貯めたお金で買ったりしていたし、お金を借りるという意識がありませんでした。

しかし、お金を借りるという行為はとても身近にあるもので、思い返せば自分が学生だったときは、親がその学費を出してくれていたし、自分が払う携帯電話を分割購入するということはいわゆるお金を借りている状態。さらにはクレジットカードでの決済もお金を借りている状態です。

金融読本によると、

金融という機能があることにより、人々の行動の自由度や社会の効率性は格段に高まることになる。

例えば大学を卒業して、会社に入社したばかりの人はまだ収入がそれほどありません。しかし、通勤に車が必要という場合もあるでしょう。この時に、何百万円というお金を一括で出せる人はほとんどいません。電車が通っていないようなところでは、お金が貯まるまで歩いて通勤...なんてことはできないでしょう。そういう時に、お金を借りてローンで車を購入すれば、「行動の自由度」は高まります。

これは個人レベルでの話ですが、企業なども話は同じです。何かを作り、価値を生みだすためには、作るための材料や資金が必要です。全て現金一括しか受け付けないという社会であれば、まずは資本を作るために時間と労力がかかり、非効率なものになるでしょう。お金の貸し借り、金融というのは僕たちの経済活動にとっては欠かせないものなのです。

銀行

その金融に関して、とても重要な役割を担うのが銀行です。そこには家計、すなわち僕たちのお金が預金というかたちで集まっています。その銀行の業務をおおまかに3つに分けて見てみましょう。

預かる

まずはやはり、預金。

銀行は僕たちがもっているお金を預かってくれます。少し前にゆうちょ銀行の通帳を親に見せてもらったのですが、定期預金の利率が5%と書いてあったのをみて驚きました。今では定期預金でも0.01%という利率なので、金利目的で預ける人はいないと思います。また、海外では口座残高が少なくなると口座維持費がかかるところもあります。ではなぜわざわざ預けるのでしょう?

その大きな理由は元本が保証されているということだと思います。仮に全財産を現金で持ち、家に置いておくということになったら、不安でしかたありません。家が火事になったらどうしよう、空き巣に入られたらどうしようなど、心配事が絶えないでしょう。実際、世界には銀行口座を持てない(underbanked)貧困層もおり、それが故に資産を形成することができないという状況もあります。

銀行という機関が自分のお金を保証してくれるという預金サービスは僕たちのような利用者にとって、安心して資産を形成する土台となるものです。

動かす

次にお金を移動させるという為替という業務があります。僕もそうですが、働いている人のお給料は銀行口座に振り込まれます。そしてそこから電気代、ガス代、水道代、クレジットカードの請求分などが毎月引き落とされています。また、自分の口座から他の口座に振込を依頼することもあるでしょう。そこには紙幣や硬貨などの現金は登場しません。このように現金を使うことなく、お金を移動することを為替と呼んでいます。それが国内であれば内国為替、国をまたぐのであれば外国為替と呼ばれています。このようにお金を移動させるという役割を銀行が担っています。

為替業務のおかげで、僕たちは封筒に入れられた現金を給料としてもらい、毎月電力会社にそれを渡しに行くというようなことをしなくても良いわけです。(極端ですが)

運用する

最後に、運用です。最大の資金供給者である僕たち家計のお金の大部分は銀行に預金として集まります。その預金は資金需要者である企業や政府に貸し出されます。それはそれぞれの企業に対しての貸出という形で行われたり、有価証券(国債、社債、株式)に投資をするという形で行われたりなど様々です。

もちろん、貸した相手や投資先がお金を返してくれる保証が100%あるわけではないので、お金を貸し出すことや投資にはリスクが存在します。そこで、資金の貸出や投資には必ず金利や利ざやというリターンがあり、これは銀行の収益となります。

この運用という業務は預金だけを行う一般的な人にとってはあまり関係のないものですが、企業や政府にとっては資金を調達することに繋がり、とても重要です。

業務まとめ

この預金、為替、運用というのが大まかな銀行の業務です。

預金については実際に使っているので意識していましたが、振込や引き落としなど、いわゆる為替業務は言われてみないと気づかないものです。そして運用という業務。家計が最大の資金供給者で、企業や政府が資金需要者となっており、銀行はそれらを結びつけています。

金融機関としての銀行の役割

先ほど金融において、銀行が重要な役割を担うとお伝えしましたが、その詳細を見ていきたいと思います。お金を融通するという金融において、銀行はどんな役割を担っているのでしょう。

仲介

もっともわかりやすいのが仲介役としての銀行です。僕たちのお金はほとんどが預金というかたちで銀行に預けられています。お金を必要としている企業や政府は、いちいち誰がお金を持っているかなど探しに行かなくても、銀行という仲介役のところへ行けばお金を調達することができます。

変換

個人が銀行に預けているお金は、企業や政府が必要としている金額と比べれば微々たるものです。しかし、ひとつひとつが少額だとしてもそれらが集まれば大きな資金となります。これは資金の大口化と呼ばれます。また、僕たちは自分の口座からすぐにお金を引き出すことができますが、全ての人が同時に全ての額を引き出すことはほぼありません。すなわち、ある程度の額が常に銀行に預けられているため、それは長期で企業や政府に貸出できるようになります。このように、個別に見れば少額で流動的な預金も、集積することでその性質を変換することができ、企業や政府も利用しやすくなります。

リスク負担

僕たちが直接株式投資をしようとしたら、それにはリスクが伴います。投入した額を下回ることもあるし、投資先が倒産してしまい元本を失うリスクもあります。資金供給者としての僕たちは、企業や政府にお金を貸している側なのですが、僕たちの預金は銀行によって元本が保証されています。つまり、お金を貸すことのリスクは銀行が負担しているということです。

審査と監視

個人レベルでお金の貸し借りをするときもそうですが、相手が本当に返してくれるかどうかを判断するのは大変なことです。銀行は企業や政府にお金を貸す際に、相手を審査し監視も行います。そういった借り手の情報を蓄積することは、情報生産機能と呼ばれます。

決済

先ほどの為替業務と同じです。銀行は全銀システムや日銀ネットというシステムでそれぞれ繋がっており、銀行間の資金の移動を行なっています。

信用創造

これは全く知らなかったことなのですが、実は銀行は預金を増やす働きをしています。

例えば僕が銀行に100万円を預けたとき、その100万円は紙幣として銀行内に保管されているわけではありません。100万円がまるまる保管されていたら、企業や政府に貸し出したり投資に回したりすることができないですからね。かといって、100万円全てを貸し出すこともできません。そうしたら僕が突然、100万円返してと言った時に返せないですから。

そのため、準備預金制度というものがあり、預金の一定の割合は残しておくことになっています。この割合を現金準備率と呼び、10%なら、10万円を残すということです。

すると銀行は残りの90万円をある企業(企業a)に貸し出します。企業aはそれを使って、企業bに支払いを行い、企業bは受け取った90万円を預金として銀行に預けます。すると、その銀行は90万円の10%である9万円を残して残りの81万円を他の企業に貸し...ということが繰り返されます。

そうすると、世の中にある預金は僕の100万円から始まり、100+90+81+...=1000万円となります。(信用創造乗数の理論)

役割まとめ

ユーザーとして預金という視点でしか銀行を見てこなかった自分にとって、これらの銀行の役割はとても興味深いものです。特に銀行による信用創造というのは衝撃的で、ちょうどRay Dalioの経済の仕組みという動画に出てくるCreditと結びつくように思います。

最後に

ほぼ仮想通貨(暗号通貨)に関係ないことを書きまとめました。

もともと金融という言葉に対してぼんやりとしたイメージしか抱いていませんでしたが、それはお金を融通することであり、銀行がそれを行う上でとても大切な役割を担っているということがわかりました。1994年にビル・ゲイツが「将来、銀行は必要なくなる」と言っていたそうですが、僕にはどうも銀行がなくなるというようには思えません。その役割はもしかしたら少し変わったり、弱まったりするのかもしれませんが、現在の経済の仕組み上、簡単にはなくならないと思います。

参考

この記事内の引用元は金融読本です。記事もほとんどが、この本から学んだことばかりです。まだ全てを読んだわけではありませんが、金融の前提知識がない人でもわかりやすく書かれています。全体像を知るのにオススメです。 

ちなみに最後に少し触れた、Ray Dalioの30分で判る 経済の仕組みという動画も貼っておきます。