てにったーさんに寄せられた質問を見ると、今回のテーマについて疑問を持っている方が意外と多いと感じます。かくいう僕も、当初はとても疑問に思ったテーマです。
てにったーさん回答
質問
世界中の銀行などが全て市場外から購入すると価格はかわらないのでしょうか?むしろそれが市場内に売られて暴落とか?
回答
解説
僕たちが日々気にしている価格というのはいわゆる市場価格です。市場には多くの参加者がいて、それぞれがXRPを買ったり売ったりしています。その結果、需要と供給がマッチするところで市場価格が決まります。
ではRipple社が銀行Aに対して、1000万XRPを直接販売(相対取引)したとします。その時の価格や条件は当事者同士が決めます。仮に1XRPを1000円で販売したとしても、10円で販売したとしても、それは市場でやりとりをされているわけではないので、市場価格には影響を与えません。(XRPの市場価格は約30円ですが、僕が友達に1000XRPを渡し、友達から3000円(3円/XRP)をもらったとしても、市場の価格にはなんの影響も無いのと同じです。)
では、なぜ銀行がXRPを持つことが投資家にとって嬉しいのでしょうか?
てにったーさんの回答にもあるように、銀行がXRPを買う目的は価格上昇によるキャピタルゲインではなく、XRPと自国の法定通貨ペアの両替を行い、送金サービスを安く行うことにあります。つまり、送金をするためにXRPを使いたいから、買うということです。
送金をするためにXRPが使われていくのであれば、以前紹介した価格上昇シナリオの話につながっていきます。つまり銀行がXRPを買うことにより、XRPが送金で使われ、価格上昇のシナリオに沿っていくことが見えてくるから投資家としては嬉しいのです。
ではちょっと悪意をもった見方をして、市場外でRipple社から大量にXRPを買った銀行はXRPの市場価格が上がった時に、市場で大量に売れば儲かるのではないでしょうか?
これに対して、Ripple社は2017年Q4のマーケットレポートでこのように書いています。
こうした懸念にRipple社が対処しないわけないですね。市場外で販売することのメリットのひとつはこうした契約を結ぶことができる点です。また、銀行側のメリットとしては、XRPの価格変動リスクを抑えるためのヘッジという方法も以前触れました。
市場外で販売されることは決して悪いことではなく、Ripple社や市場、銀行側にもメリットのあるやり方なのだと思います。
最後に
今回は市場外でのXRP販売が市場価格に直接的な影響をもたらさないという話でした。市場でやりとりをされなければ意味がないということではなく、市場外での販売によるメリットもあります。そして、銀行がXRPを買うということは、その後のXRP利用に繋がるため、流動性の高まりや価格の上昇に繋がることが想像できます。
参考
元の質問
銀行等の市場外購入は確かに直接的な価格上昇にはなりません。ただ銀行がそれを使ってXRP/現地通貨ペアの両替商を始めれば市場流動性とは無関係にブリッジ送金が可能になります。そうなれば価格には大きなプラスです。
— てにったー (@tenitoshi) 2018年3月24日
場外購入分は売却制限がかかります。 #peing #質問箱 https://t.co/tIymh6AH0v pic.twitter.com/TGFAy7lGu9
その他関連の質問
てにったーさんの質問箱まとめ