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地球規模でみる、ブロックチェーンとフィンテック革命の未来 和訳

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今回の公式ブログ記事は少し長めですが、視野を広げる、想像力を働かせるという意味でとてもいい内容だと思います。特にアフリカにおけるフィンテックの役割や現地の状況を少しでも知ることができたのがとても面白かったです。では、以下の非公式翻訳をどうぞ。

地球規模でみる、ブロックチェーンとフィンテック革命の未来

全般的なフィンテック革命、特にブロックチェーンには、どんな未来が待ち受けているのでしょう?昨年の秋にSwell 2018が行われ、Ripple社のSVPであるKahina Van Dykeによって先見の明のあるリーダー達が各国から集められました。そこでのパネルでこの質問が取り上げられたのです。

今、2019年が始まるタイミングは、規制当局の役割やアフリカにおけるブロックチェーンの実社会での利用状況、既存の大規模な金融機関でどうやって革命を起こすのか、他にも今年世界ですでに起こっている重要な変化などについて、彼らがどのように考えているのかを振り返る良い機会ではないでしょうか。

アフリカにおけるフィンテックの重要性

Tokunboh Ishmael(African Venture Capital Association and Managing Directorの議長, Alitheia CapitalのDirector and Founder)がまず、会話のきっかけとしてアフリカにおけるフィンテックについてどう考えているかを共有してくれました。現在、ナイジェリアのラゴスにオフィスを構え、フィンテック投資を経営管理する、金融サービスとデジタルコンピューティングのベテランである彼女は、アフリカ大陸に起こるフィンテックの進化を最前列で見ることができています。

10年以上前、彼女がフィンテックに投資し始めた時には、ナイジェリア人の70%は銀行システムから除外されていたという調査があったと言います。アフリカの大部分と同様に、ナイジェリアの人たちは現金主義になっており、それは銀行や小売り業が、お金を持っている1%の人口にサービスを提供することで満足しているからなのです。

しかし、フィンテックの動きや投資が増加するに従って、国内でマーケットシフトが起こってきています。ナイジェリアの人たちが送金やその他の基本的なことに現金を使う代わりに、新興のフィンテック企業のおかげで、彼らはデジタルサービスを使うことができるようになっているのです。それと同時に、こうした新興企業の登場で、既存の企業は自社のビジネスモデルを再考し、もっと広い人口に対してサービスを広げ始めています。

この好例としてIshmaelが取り上げたのは、彼女が最初に投資した時に2000のクライアントを持っていた、Pagaという企業です。この企業は10年後の現在、900万もの顧客を抱える規模になっています。100年続くナイジェリアの最大の銀行の顧客数は1000から1200万人であり、Pagaはそれと肩を並べるほどになっているのです。

この成功例や他の影響もあり、ナイジェリアの銀行口座を持たない人口の比率は70%から45%にまで下がっているという新たな調査が出ています。

ヨーロッパにおけるフィンテック環境

ヨーロッパでは銀行口座を持たない人はもっと少ないかもしれませんが、この大陸でも似たようなレベルの創造的破壊とイノベーションが起こっています。Ben Brabynがトップを務めるLevel39は、ロンドンに拠点があるフィンテックとサイバーセキュリティのコミュニティで、200以上の企業を抱えています。そしてこのLevel39がこれらの創造的破壊者とテクノロジーへの認知を後押ししている存在だと言われているのです。

BrabynはLevel39の成功をロンドンの独特な性質によるものだと言います。ロンドンは街として、サンフランシスコのテック環境と、ロサンゼルスのクリエイティブなコミュニティと、ワシントンD.Cの政治と規制要素を含んだニューヨークの銀行環境を混ぜ合わせたような街だからです。

これにより、関連のある領域での深い経験をもった創造的破壊者のコミュニティが形成され、その繁栄につながっていくのです。この高いレベルでの協力が、イノベーションにおける際立った発展に寄与していると、Brabynは考えています。

どうやって既存の銀行でイノベーションを引き起こすか

Amy RadinはCiti, E-Trade, その他のいくつもの主要金融ブランドにおける前Chief Innovation Officerであり、ビジネスにおける変革要素を明らかにした"The Change Maker's Playbook"の著者でもあります。

以前共に働いていたVan Dykeが、既存の銀行が内部からどうやってイノベーションを起こすことができるのかと尋ねた時、Radinは顔をしかめてリーマン・ブラザーズの倒産と金融危機の始まりから10年経ったことを振り返りました。当時、銀行ではイノベーションとは何か有毒な資産を作ることで、社を倒産に近づけるものという考えと結びついていたため、彼女は職を失ったのです。

その結果、過去10年間は大きな銀行にとって、困難だがやりがいのある期間になっていました。支出を減らすことに集中して法令遵守に勤め、彼女いわく、イノベーションから目をそらし、遅れを取り戻さなければならなかったのです。

その例として彼女が取り上げたCitiでは、彼女が解雇された時は375,000人いた職員が現在は縮小されて200,000人を少し越えるくらいの規模になっています。この縮小は大部分の組織的な記憶を取り払い、優秀な人材の他社や新興企業への流出を生み出しました。

Radinによると過去5年間にわたり、同じこれらの企業はよりイノベーションやチャンスに目を向けるようになってきています。特に、統合された販路での体験、AI、ロボアドバイザー、ブロックチェーンやモバイルに関しての投資が見て取れると彼女は言います。

しかしこれらの銀行はまだ、ユーザーのニーズとビジネスを行う人たちを繋げる手助けが必要です。フィンテックでさえ、融資や預金など、ただ新しくコーティングを変えただけのような古いビジネスモデルばかりです。そこにはRippleのような新しいアイディアやアプローチが必要なのです。

ただ、Radinは聴衆に対して既存銀行を見限ることはしないようにと伝えました。それは新興企業がイノベーションという市場を占有していないのと同じように、既存企業も官僚制度を占有していないからです。

大きい企業は慣性を好む傾向があるという点にも彼女は触れ、多くの銀行は彼女のような人を止めるために多くのお金を人々に支払うという冗談も言っていました。これらの大企業にとって、やり方を再発明することが、素晴らしいアイディアを持つことよりも優るということがよくあります。「あなたが何か全く予想のつかないようなことをやっている時に、彼らは予想可能性を高めようと務める」と彼女は表現しました。

規制当局の役割と影響

パネリストがフィンテックに関わる規制当局の性質の変化について議論する中で、ヨーロッパや他国はアメリカに比べてより協力的な規制環境を設けていることが明らかになりました。

Ishmaelはナイジェリアの規制当局が前向きに考え、フィンテックと既存企業を繋ぎ、ウィンウィンのシナリオを作ることに貢献していることを賞賛しました。BrabynはUKの金融行動監視機構をイノベーションを支えてくれているという意味で、「フィンテックのスーパーヒーロー」とまで表現しました。面白いことに彼は、ヨーロッパは世界中に基準を広めるような規制のスーパーパワーを望むようになってきているという点も指摘しました。

規制当局が支援する立場を取るか、アメリカのように何か保守的な立場の方がよいのか、と聴衆から質問が投げかけられると、パネリストたちはバランスを生み出すためには両方が必要だと答えました。Brabynが規制が厳しくなったからといってイノベーションが奪われるわけではないと指摘し、Ishmaelは必要なレベルの規律を徐々に浸透させる機能もあると答えました。

ブロックチェーンの利用とフィンテックの展望

Van Dykeは話題をブロックチェーンに戻し、この技術が潜在的にどんな利用方法があると考えるかを各参加者に質問しました。Ishmaelは力を込めてアフリカでの利用について語り、ブロックチェーンの技術は「あったらいいもの」ではなく、問題を解決するのに必要不可欠な技術であると述べました。

彼女は更に、この技術が鍵となる分野はデジタルアイデンティティと送金だと説明しました。確立された識別システム(アメリカでいう社会保障番号のような)が存在しない大陸では、ブロックチェーンが変革の中心となります。アイデンティティの問題を解決することで、その影響と利用は医療や教育などにも及んでいきます。

送金に関して、Ishmaelは各地域で行われる国境を跨ぐ処理について指摘しました。こんにち、国境を跨いだ送金はドルへの高コストな変換が必要で、これが経済の成長を止めているプロセスのひとつとなっています。Rippleのようなテクノロジーは地域のビジネスを速く簡単に成長させる原動力となり得るのです。ブロックチェーンはまた、銀行と地方の現金を取り扱う送金業者の間での処理と記録に整合性を確保することを可能にします。

Radinはより大きな企業規模で、ブロックチェーンの潜在的な利用価値があるという意見を述べました。より多くの賢い人々が技術の潜在価値に目を向けて実際のユースケースで実験をしているという理由から、彼女は楽観的に将来を捉えています。混乱も生じてくると思うが、「ブレークスルーも生まれてくるだろう」と言い、初期ステージの投資家としてもっと多くのお金を投資しておく必要がある、なぜならたくさんの価値が創造されるだろうから、と彼女は強気な考えを示しました。

フィンテックイノベーションの展望

Brabynも同じような楽観的な立場を示しましたが、注意もしています。彼はフィンテックイノベーションがもたらす未来にとてもワクワクしている一方で、ポピュリズムと大きくなっている新技術への反動が停止信号になるのではないかという懸念も示しています。私たちは操業する認可を得るために、産業として価値を生み出すケースを作らなくてはなりません。それがなくては、イノベーションへの能力が奪われてしまうのではないかと、彼は心配しているのです。

Ishmaelはしかしながら、前向きな考えでパネルをまとめました。彼女は分散型台帳技術の時は今であるとし、それは私たちがついにそれが何かをうまく説明できるようになっているし、ユースケースも見つけることができるからだとしています。5年後にはこの技術が私たちの行う全てのことに関わってくるものだと、彼女は考えています。

アフリカを例にとり、彼女は「最後の10億」と呼ばれる人々が他国を一気に追い抜き、これらのテクノロジーがどのように最大限利用できるかを示すことができるようになると予測しています。

最後に

日本に住む人たちは当たり前に戸籍があって、銀行口座も持っている人が大多数だと思います。ふと、それがない世界を想像するとどうでしょう。自分が誰かをどうやって証明し、仕事で稼いだ現金はどこにしまうのでしょうか?ベッドの下に現金を隠しておくのでしょうか?もし、盗まれたらそれは自己責任なのでしょうか?そんな状況の中で、安心した生活なんてできるのでしょうか?Ishmaelさんはブロックチェーン技術を「あったらいいもの」ではなくて、「なくてはならないもの」と繰り返し動画の中で語っています。Last Billion(最後の10億人)が世界経済に直接参加できるようになった時、今僕たちが住んでいる世界はどう変わるのでしょうか。楽しみでもあり、不安でもありますが、この流れは不可避なんだろうなとぼんやり感じています。

参考

元記事:A Global Look at the Future of Blockchain and Fintech Innovation

ripple.com

参照Swell動画