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ステーブルコイン:市場予想における教訓 和訳

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ステーブルコインの話がtwitterで議論されているのを見かけたのですが、さっぱり触れてきませんでした。そんなところにRippleの公式ブログから記事がでたので翻訳してみました。書いているのはRipple社の人ではありませんが、歴史を振り返りつつペッグ制について書かれているのでとても勉強になります。

ステーブルコイン:市場予想における教訓

ステーブルコインはデジタル資産市場に安定性をもたらすための良い試みです。経済をより予想可能なものにし投資家を引きつけるために、変動の多い自国通貨を安定性の高い他国通貨とペッグするのと同じように、TetherやHaaven(Haven?)のような企業から発行されたデジタル資産はU.Sドル、金準備、さらにはデジタル資産そのものの裏にあるアルゴリズムに固定されています。

毎日、ビットコインや他の不安定なデジタル資産の価格に何かしらの変動が起こっている中で、市場をもっと安定させようとする試みは歓迎すべきです。しかしながら、「ステーブルコイン」という名で約束された安定性を保つことは不可能であると、歴史が示しているのです。

ペッグ制の問題

本質的にペッグ制は、より広範囲な制約の無い経済のなかでは長期的に維持することのできないような人工的な経済環境を作り出します。過去にペッグ制を採用した法定通貨の例を見ると、ペッグ制は短期の解決策としては機能するが、必ず訪れるであろうペッグ制解除の際には深刻な不安定性を生み出します。

主要な石油生産国であるナイジェリアは、一貫した輸出価値を保つために、アメリカドルと自国通貨であるナイラをペッグすることにしました。2010年代の中頃に石油の価格が下がった時、ナイラの価格も下落するはずでしたが、ナイジェリア政府は自国の外貨準備高の20%近くもの資金を使ってペッグ制を維持したのです。闇市場ではナイラが半分の値段で取引されるような状況の中で、ナイジェリアはアメリカドルとのペッグ制を解除せざるを得なくなりました。その結果、ナイラの価値は30%下落し、急激なインフレが発生しました。

さらに深刻な事例は1990年代にタイで起こりました。当時タイバーツはアメリカドルにペッグされており、東南アジアにおいて虎の子と称されるような経済状況でした。しかし、経済成長のスピードが遅くなるにつれて、投資家たちはバーツの価値が下がる方向に賭けはじめました。ナイジェリアと同様に、タイ政府も1997年にペッグ制の解除を余儀なくされるまで、ペッグ制を保つために何十億ドルもの資金を費やしました。バーツの価格下落はドミノ効果で周辺地域にも影響を及ぼし、90年代終盤に発生した悪名高いアジア通貨危機を引き起こすことにつながったのです。

思い通りにならない市場

ペッグ制の問題は、市場が特定の振る舞いをするという前提に基づいた理論だということです。誰も市場の動向を決めることはできません。人々は利益を得るために抜け穴を見つけたり、真の価値を反映するような闇市場を作ったり、もしくは単純に効率的市場仮説で提案されるような市場にはならないのです。

ほとんどのペッグ制で採用されている通貨は何でしょう?アメリカドルです。アメリカでの政治形態や機関よりも安定した政府や中央銀行によって発行されているスイスフランやシンガポールドルの方が、より安定したペッグ通貨になるかもしれません。それでもアメリカドルがデフォルトの選択肢になる理由は、人々が信用しているからです。それは論理的思考によるものではなく、今までの伝統や感情的な魅力による理由からなのです。アメリカの外にいる人たちはドルを扱うことに慣れていて、だからこそ世界中にある他のどの通貨よりも安心して使っているのです。

ここでの教訓とは何でしょう?それは人々がすべきことをを見るのではなく、実際に行なっていることに目を向けることに価値があることが多いということです。ステーブルコインに話を戻すと、テザー社はアメリカドルとのペッグを保つための十分な資金があるかどうかという疑いがあるにも関わらず、業界のトップを走っています。十分な数の人がテザー社を信用しているから、この疑いは問題にならないようです。もしテザー(USDT)がその価値を失い、いくつかの保有者がパニック売りをしても、テザー社がペッグの価格にまで戻すというステーブルコインの役割を全うすると信じる、十分な数の潜在的な買い手がいるのです。

安定性に影響を与える要因

デジタル資産の市場はまだ新興市場であり、未来を予想することは困難です。ホワイトペーパーや価格査定の煽りでたどり着けるところは限られています。他の要因、すなわちより具体的な成果に基づくようなものが、長期的に見た市場の安定性を評価するのに役立つツールになるのかもしれません。

ドルと同じように、特定の通貨に対しての人々の信用を考慮するのは、その価値を査定するひとつの方法です。強力なコミュニティの存在が良い時も悪い時もその信頼を支え、価格変動(ボラティリティ)への防御になるのかもしれません。

もうひとつの方法は、明確なユースケースを持ったデジタル資産を見ることです。それは国際送金でも、消費者送金でも、一貫した価値の保存でも。ユースケースを持つことによって、より強固な信頼を構築することにつながり、その背景にあるコミュニティを広げることにもつながるのです。

ペッグ制かペッグ制じゃないか、これらの要因は本当のステーブルコインを作り出すことにつながることでしょう。

著者について

Thomas Lee is a Managing Partner and the Head of Research at Fundstrat Global Advisors. He is an accomplished Wall Street strategist with over 25 years of experience in equity research, and has been top ranked by Institutional Investor every year since 1998. Prior to co-founding Fundstrat, he served most recently as J.P. Morgan’s Chief Equity Strategist from 2007 to 2014, and previously as Managing Director at Salomon Smith Barney. His areas of expertise include market strategy, small/mid-cap strategy and telecom services.

最後に

歴史から学ぶことってとても大切ですね。ブロックチェーンという新しい領域について考える際も、インターネットのバブルや、物流におけるコンテナの存在を知り、新しい存在について思いを馳せることはとても楽しいです。今回はペッグについての話。新しいものを学びつつ、歴史も振り返ることで知見が広がります。歴史は繰り返す。もっといろんなことを知りたいなと思わせてくれる記事でした。

まだ、リンクを挿入できていなかったり、著者について翻訳できていませんが、取り急ぎアップしました。

参考

元記事:Stablecoins: A Lesson in Market Predictions

ripple.com